はじめに
Excel では IF関数を使ってさまざまな条件分岐を行えます。
さらに OR/AND 関数をつかって複数の条件が一致する場合もしくは複数の条件の中からどれかと一致する場合に
処理するように実装することも可能です。
このページでは、IF関数に複数条件を対応させる方法についてご紹介します。
IF関数の複数条件
まず、IF関数の使い方とAND/OR関数への組み合わせ方法について順に説明します。
IF関数
ある条件式(論理式)が、真の場合(つまり、条件が当てはまる場合)と偽の場合(つまり、条件に当てはまらない場合)とで処理を分岐できます。
例で説明しますと
=IF(値段≧1000,高い,安い)
なら、「値段」が 1000 以上なら「高い」、1000以下なら「安い」ということです。
「値段」が A1 セルにある場合
=IF(A1≧1000,高い,安い)
となります。
OR 関数
ORの括弧内に含まれる論理式のどれか一つが当てはまる場合は 「TRUE」、どれにも当てはまらない場合は 「FALSE」を返します。
例で説明しますと
=OR(個数>15,値段>5000)
なら、①「個数」が 15 より大きい条件と➁「値段」が5000より大きい条件との2つの条件があり、
①と➁のどちらかに当てはまる場合「TRUE」、どちらにも当てはまらない場合「FALSE」となります。
OR 関数を複数条件で使う場合、「または」という意味であることを念頭に入れてください。
補足
プログラミングではある条件が真(条件が正しい)か偽(条件が正しくない)を判断した場合、
その結果として「TRUE」か 「FALSE」 という値を出力させます。
「TRUE」「FALSE」がわからない方は、下記のようなイメージをもってください。
- TRUE → 条件に当てはまる (【例】バナナは「黄色」→ TRUE)
- FALSE → 条件に当てはまらない (【例】リンゴは「黄色」→ FALSE)
※バナナは黄色、リンゴは赤色ということが前提です。
IF関数とOR関数
IF関数とOR関数を組み合わせる場合、以下のようにします。
=IF(OR(論理式1,...),真の場合,偽の場合)
下記画面では、「個数」が15より大きい (OR (または))「値段」が5000より大きい場合は「高い」、それ以外は「安い」となります。
AND 関数
ANDの括弧内に含まれる論理式の全てに当てはまる場合は 「TRUE」、どれにも当てはまらない場合は 「FALSE」を返します。
例で説明しますと
=AND(個数>15,値段>5000)
なら、①「個数」が 15 より大きい条件と➁「値段」が5000より大きい条件との2つの条件があり、
①と➁の両方に当てはまる場合「TRUE」、どちらにも当てはまらない場合「FALSE」となります。
OR 関数を複数条件で使う場合、「かつ」という意味であることを念頭に入れてください。
IF関数とAND関数
IF関数とAND関数を組み合わせる場合、以下のようにします。
=IF(AND(論理式1,...),真の場合,偽の場合)
下記画面では、「個数」が15より大きい (AND (かつ))「値段」が5000より大きい場合は「高い」、それ以外は「安い」となります。
IF関数とAND関数とOR関数
AND 関数 と OR 関数を使って複雑な条件も可能です。
下記画面では、以下の3つの条件があります。
- 「個数」が15より大きい
- 「値段」が5000より大きい
- 「重さ」が2000より大きい
まず、OR関数で、➁「値段」が5000より大きい と③「重さ」が2000より大きいのどちらかの条件が当てはまるかを確認します。
その後、①「個数」が15より大きいと OR 関数の二つの条件が当てはまるかを確認し、「TRUE」か「FALSE」 を判断します。
「TRUE」(条件が当てはまる)の場合は「高い」、「FALSE」(条件が当てはまらない)の場合は「安い」となります。
最後に
IF関数は非常に汎用性の高い関数で、Excel で絶対に覚えておく必要がある関数のうちの一つです。
IF関数を使えば複雑な条件も簡単に使用することができますのでぜひ覚えておいてください。